中学の時 俺のことを必死で救ってくれた恩師が居た

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photo by pakutaso.com

中学の時 俺のことを必死で救ってくれた恩師が居た

俺は中学の時 両親が死に、アパートで一人暮らしをしていた。

その時の俺は孤独という名の恐怖で心から余裕がなくなりグレてしまい非道の道へと走ってしまったことがある。

毎日が喧嘩の日々で夜遅くまでバイトなどをして生活をしていた。

そんな俺のことをいつもしつこく追い回す教師が一人だけ居た。

彼は俺に「更生して欲しい」と言っていたが、その時の俺は「熱血とか生徒のためにとか飽き飽きしたセリフ並べて、いかにも俺らのことわかってますよアピールすんなよ」という気持ちでした。
今まで出会ってきた教師は上辺だけの対応をし「お前のために出来る事は何でもする」といった耳が腐るほど聞いた話をしてくる。

その教師もそいつらと同じなのかと思っていたが、今までの教師とは違う何か覚悟というものを感じた。

それからというもの。その教師は俺に纏わり付くようになり俺の事を聞き出してくるようになった。

最初はウゼェという感覚しかなかったが、それが度重なると自分でも不思議と色んなことを話していた。

今まで誰にも言ったことのなかった辛い出来事や悲しかったことなど洗いざらい話した。

その教師は何も言わずただ黙って聞いてくれた。

そしてそのことがあって以来、俺はその教師だけに心を開くようになった。

「もう30後半というおっさんのくせに頑張りすぎなんだよ」と俺が言うと何故か嬉しそうに「うるせぇよ」と笑顔で言ってきた。

俺はその笑顔が大好きだった。

作っていない心からのその笑顔に。

ある日、ふと俺は他の教師が近寄りたがらない俺に、なぜその教師はまとわりついたのか疑問に思い聞いてみたら、昔その教師もグレた時期があり警察のお世話になったことが多々あったという。

そんな彼もある大きな出来事があり更生したと言っていた。

そして俺を見て「ガキの頃の俺にソックリでなんか放っておけなかった」と聞かせてくれた。

彼と出会い、俺の人生は変わりつつあった。

勉強も真面目にし始め、他の教師の言うことも少しは聞くようになった。

そして中学を卒業する頃には学年1位の成績を取れるまで成長していた。

そして卒業式。

俺は中学の卒業式なんて出られないと思っていた。

でも彼のおかげで出ることが出来た。そして高校にも合格し彼には感謝してもし尽くせない恩があった。

俺は何か恩返しがしたいと言ったが彼は首を横に振り「俺は当然のことをしたまでだ。だから恩返しなんてものは要らない」と言われた。

でもそんなことを言われても俺の気が済むはずもなく「だったらこれからはちゃんと生きるから! それが俺からの精一杯の恩返しな! 先生!」と笑顔で言うと彼は必死に止めていた涙を流していた。

「なんだよ先生 俺は湿っぽいの嫌いなんだよ」と言っている俺も一緒になって泣いていた。

「お前と最初会った時から俺がこいつのこと面倒見てやると思ってな。 しつこくお前のことつき回したりして段々と俺に心開いてくれるのがめっちゃ嬉しくてな。お前は両親がいないって言っただろ。だから俺がこいつの親代わりになるって誓ったんだよ。お前にとっては迷惑かもしれねぇけどよ。お前は俺の自慢の息子だぞ。高校行ってからまた辛いことがあるかもしれねぇけど今度はお前は1人じゃない。俺のところにいつでも来い。相談に乗ってやる。俺がなりたいって思っただけだけどよ。お前にとっての親に少しでもなれてたならそれでいい。これからもお前に何かあったら支えてやるからな。」と大号泣しながら言われた。
おれは今までそんなこと言われたことなかった。こんなに暖かいものに包まれた事は無かった。感じたことのない気持ちになった。でもこれが本当の喜びだったり幸せなんだと分かった。
「なんだよまぢで もう何言っていいかわかんねぇじゃねぇかよ。 今まで辛いことたくさん経験して、たくさん悲しいこともあったけどさ。先生と離れるのが今1番辛い。先生が親代わりになるって決めたんなら最後まで責任もって面倒みろよ! 俺は図々しいし迷惑ばっかかけるけどさ。それでも先生の自慢の息子なんだろ? 俺はもう二度とと親がいない生活なんて嫌だ。だから先生。俺のお父さんになってくれませんか?」 自分でも予想外の言葉が出てしまった。言われた先生は 本気で? といった顔で見ていた。
俺はやっぱりと思い「嘘だよ笑 先生にこれ以上迷惑かけられるわけないじゃん」と作り笑いしながら言うと「アホか!嘘ついてんじゃねぇーよ お前の本心言えよ!」と初めて怒鳴られた。「ホントはなぁ ずっと一緒にいてぇよ! でも俺なんかが一緒にいると先生が迷惑することになるからそれは嫌だ だから……」「お前はどこまでアホなんや! 迷惑する? んなもん親子になるんやったらどんだけでもかけろ! お前の辛かったことや悲しかったこと。楽しいことや幸せなことを俺が全部受け止めてやるから、俺の息子にでも何にでもなれ!」 と言ってからは2人で崩れて泣きました。今思うとホントにバカだなと思う笑


そんな俺ももう高校生になった。

いつものように朝のアラームで目を覚まし。いつものようにテレビを見て、いつものように朝食を食べる。

でも今までとは違うとても嬉しい変化が1つだけある。それは玄関を出る時に「行ってきまぁす」と言う相手ができたこと。

つまり先生が俺のことを養子として引き取ってくれて俺のお父さんになったことだ。

まだ言いなれない「行ってきまぁす」を毎朝ぎこちなくだが言っている。

公開日:2016.08.01

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