僕は古い歴史を感じるような情景が大好きで、海外旅行にいくときは必ず遺跡めぐりをする。
なので、ヨーロッパの人達の古き良きものを残そうという情熱は計り知れなく、本当に尊敬している。
彼等のそういった意識があるから、今の綺麗なヨーロッパの街並みをいまも見ることができるのだ。
例えば、ポーランドのワルシャワ旧市街なんてのは、第二次世界大戦でドイツ軍により徹底的に破壊されてしまったが、戦後生き残った街の人達の記憶を総動員して、なんと壁にあったヒビ一本にいたるまで、忠実に再現して街を復元してしまったほどだ。ヨーロッパの昔を大切にしたいという不屈の精神は素直に凄いと思う。
残念ながら、アジアはそういった古いものを残そうという意識はあまり感じられない。
その代り、新しいものを柔軟に取り入れることで、急速に経済発展をとげているということを考えるとどっちが正しいとは言えないが、遺跡巡りがすきな僕としては、やはり古きよきものは、そのままの姿で残しておいてほしいと思うのだ。
そういった前提があるので、中国に初めて訪れたときは度胆を抜かれた。
中国といえば4000年の歴史。歴史が長いだけあって見ておきたい遺跡が沢山あった。
それだけに期待が大きかったのだが、「いやいやちょっとまって」「それはないだろ」と思わず突っ込みたくなることがしばしばあった。
例えば、北京にある紫禁城は、ボロボロに崩れた壁を修復するのはいいのだが、古いのは潰して取り除き新しくコンクリートで建て直しちゃっている箇所がちらほらあったし、敦煌の莫高窟は、コンクリートの壁で覆い、それぞれの洞窟入口に新しい扉をつけちゃって、まるでマンションのような感じになっていた。
また、砂漠のオアシスである鳴沙山・月牙泉では、月牙泉から水を吸い上げ、その近くに観光用の人工池を造り、花壇を植えて人工的に奇妙なオアシスを建造していたりして、情緒のかけらもなくなっている。
しかもその人工池のせいで、どんなときも泉が枯れたことは無いといわれている月牙泉の水位が年々下がってきているとのこと。
まったくもって理解不能なのだ。
公開日:2014.09.23
うーん、やっぱり我々とは価値観がずれているんでしょうかね?