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私は今年の3月、第一子となる
女の子を出産しました。
出産は死ぬほど痛い。
と周りから聞いていましたので
とても不安でした。
予定日を4日すぎ
あーこのまま生まれずに
お腹の中で育てたいなー
なんて考えていました。
その日の夜、急にお腹が
我慢できないほど痛み出しました。
夜中の2時過ぎに病院へ行き
陣痛室で、赤ちゃんが
産まれるまで待つことになりました。
その間も5分間隔で激しい痛みが
襲ってきます。
はやく出ておいで〜!
と何度も何度も思いました。
ですが、赤ちゃんの頭に
コブのようなものができており
産道に引っかかって
下まで降りてこないと言うのです。
私はとにかくお腹の赤ちゃんのことが心配でした。
このままではこの子は
死んでしまうのかもしれない
そう思うと涙が溢れてきました。
このまま降りてこなければ
帝王切開になる!と
分娩室ではなく手術室へ
運び込まれました。
ですが赤ちゃんも頑張って
降りてこようとしています。
先生や看護師さんたちがお腹を
押し、吸引機を使って
なんとかお腹から赤ちゃんが
出てきました。
ですが、泣き声が聞こえないのです。
赤ちゃんは先生が取り上げ
すぐに別のベッドへ。
先生や看護師さんたちが
慌ただしく動いています。
吸引しろ!心臓マッサージ機持ってこい!
酸素マスクも準備しろ!
私は何が起きているのか
分かりませんでした。
出産をして痛いはずのお腹や腰の痛みなど全く感じませんでした。
それよりも私の赤ちゃんが
泣かずに先生たちに処置を
されているのが心配でなりませんでした。
泣け!ほら、泣くんだ!
先生が懸命に赤ちゃんに
声をかけています。
次の瞬間
おぎゃー!おぎゃー!
と弱々しくとても小さな声で
泣き声が聞こえました。
その瞬間
涙が止まりませんでした。
赤ちゃんは仮死状態で
生まれた為保育器にすぐ入れられ
抱っこをすることもできませんでした。
その日の夜、病院のベッドで
寝ている時
私がちゃんと産んであげられなかったから
赤ちゃんは保育器にはいってるんだ。
あんな小さな手や足に
点滴をして採血をして
私のせいだと思うと
また涙があふれて
眠れませんでした。
他のお母さんたちは
次の日から赤ちゃんと同室で
お世話を開始していますが
私はできませんでした。
私がちゃんと産んであげられなかったから
この手に抱くこともできないのか
とまた何度も自分を責めました。
保育器に入っている我が子を見に
新生児室の外の窓から覗いていると
看護師さんが
赤ちゃんに触ってあげてください
と中に入れてくれました。
保育器についている小さな隙間から
手を入れ赤ちゃんの手を握りました。
そうすると、赤ちゃんもぎゅっと
指を掴んできました。
まるで私が母だと分かるように。
こんな小さい体で
今、一生懸命
生きようと頑張っている。
そう思い、また涙が止まりませんでした。
産まれてきてくれてありがとう。
私を母にさせてくれてありがとう。
今、その子は7ヶ月になります。
特に病気にもかからず元気に
成長しています。
公開日:2014.11.11
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