photo by 無料イラストのIMT
俺の母さんは俺が高3の時に亡くなったんだ、母さんは交通事故により頭を強打して亡くなってしまった。
俺は母さんが亡くなった時俺は学校にいた。この事実を聞いたときあまりにも現実離れした話に俺は何も感じなかった。というか、事実を受け入れられなかったのだ。
母さんが亡くなってからはなぜか、家が広く感じた。まだ現実の受け入れられない俺は今にも「疲れた~」とか言いながら玄関の扉を開けて帰って来るのではないかと期待していた。しかし当然帰ってくることは無かった。
葬式が終わって、3日がたつ頃、夜俺は寝付けが悪く、水を飲みに台所に行った、するとそこには母さんが居たんだ。
いつも通り平然としていて煙草を吸っていた。
俺はしばらく呆然と突っ立っていた。すると母さんが
「どうした?」
と声をかけてきた。俺は
「母さん交通事故にあったんじゃなかったの?大丈夫なの?」
と聞いた。だけど母さんはその質問には答えず
「学校は楽しかった?」
と聞いてきた。俺は
「いつもと変わらない」
と素っ気なく答えた。なんだ母さんは亡くなってないじゃんと思っていた。
それから、30分ほど他愛もない会話をした。「テストはいつなの」とか「友達はどこの会社に就職するの」などという会話が続いた。
俺は、あることに気づいた。母さんがだんだん半透明になっていくのが分かった。
この時俺は、あぁ、もう母さんとお別れなんだなと思い涙が流れてきた。
すると母さんが
「もうそろそろ母さん行かなきゃいけない、最後に話し出来て良かった。」
と柄でも無いことを言ってきた。俺は号泣していて言葉にならなかったけど
「世話になった」
と言った、もう母さんは消えそうだった。
最後に母さんは
「じゃぁな、頑張れよ」
と笑顔で言って消えてしまった。
思春期の頃の俺は、母さんと距離をおいていた。だけど俺は母さんが生きていた頃にもっと親孝行したり、母さんと話をしたりすればよかったと後悔している。
たけど、くよくよしていては母さんが悲しむと思うだから俺は、これからは立派な人間になり、前向きに生きていくことを誓った。これがせめてもの親孝行だと俺は思っている。
公開日:2019.07.25
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