photo by イラストAC
その人とは中学の部活で出会いました。
歳は1個上、同じ水泳部の先輩でした。
中1で水泳部に入ってから、同じ種目だったこともあって、同じコースで色々教えてもらいました。
その先輩は(Y先輩とします)頭はよかったけどとにかく天然?でいつもみんなのいじられキャラ的な人でした。おもしろくて後輩にも好かれて、泳ぎも早くて、顔も可愛いんです。でも一番惹かれた部分は優しさでした。
迷惑かな?という顔をしながらいつも指導してくれたり、僕のタイムが上がったら自分のことのように喜んでくれたり、気づいたら好きになっていました。
でも年下だしな、と思い告白できずにいました。
そのまま先輩は部活を引退、あっという間に卒業してしまいました。
先輩の行った高校は県内でもまあまあ頭のいい高校だったし、自分は中の下レベルだったので諦めるしかない、と思っていました。
そんなある日、中学の運動会の日、卒業した先輩が中学に遊びに来ていました。思わず先輩まで走って行って話しかけました。
すると先輩が最後に
「◯◯(僕の名前のあだ名)がおらんけん、寂しいので、できれば私の高校に来てまた同じ部活に入って欲しかったり、してます、、笑」と言いました。
若干照れてたし、そういうこというタイプじゃないの知っていたので、恥ずかしいけど言ったんだなって思ったら本当可愛くて、本当に好きだと思いました。
それからは自分でもやばいぐらい勉強して、
先輩のいる高校にまさかのトップで入りました笑
新入生代表の挨拶もしました。ちょうど先輩は端の方にいたのですぐ見えました。向こうもこっちを見てびっくりしていたのを覚えています。
それからすぐに水泳部に入り、先輩と同じ種目、同じコース、まるで中学生に戻ったような気分でした。先輩も相変わらずの性格で、またみんなのいじられキャラになっていました笑
ただ1つ変わっていたのは、中学の頃は失礼ながら若干ぽっちゃりしていた先輩が、すごく綺麗になっていたことです。
もともと165?センチぐらいあるので、痩せた先輩はすごくスタイルが良くて、早くしないと誰かに取られそう、とまで思いました笑
しばらくして、3年生の先輩の最後の大会が終わり、
Y先輩は副部長に任命されました。
部長はY先輩と同級生の男子の先輩です。(S先輩とします)
その日の帰り道、S先輩と一緒に2人で帰ることになりました。
S先輩は、とにかく先輩って感じじゃなくて、変わってるんです。天然?なんですかね、みんなの前で変なことを平気でやれる、笑わせタイプです笑
本当におもしろくて、でもやるときはちゃんとやるみたいな。なんだかY先輩に似ている感じです。
Y先輩はめちゃめちゃ内気で恥ずかしがりやですけどね笑
僕は種目は違えどS先輩を本当に尊敬していて、その日も楽しく話しながら帰っていました。
すると急に、S先輩が、「お前、Yのこと好きやろ?」と言ってきました。
え!?と動揺していると、少しニヤッとして
「ごめん、俺も好きなんよ」と言われました。
さらにええ!?ともうプチパニックみたいになった僕に、先輩は「告白はせんけん、大丈夫。」と言いました。
どうしてですか?と僕が聞くと、先輩は理由を少しずつ話してくれました。
先輩は高校卒業後、自衛隊に行くことを決めていて、県外に行くし、寮生活で会うこともできなくなるから、告白して気まずくなったらままさよならも嫌だし、もし付き合えても、遠距離にも程があるから、と。
でも、僕は知っていました。
というか、入部してすぐ気づきました。
Y先輩はS先輩のことが好きです。
Y先輩はとにかく顔に出やすいです。
S先輩が変なことしているときもすごい好きだなあっていう顔で見ているし、
Y先輩とS先輩が話しているときも、お互い恥ずかしがって目をそらしてるから、どこ見てんだ2人とも笑ってなるし、S先輩がY先輩にだけ見せる真剣な表情も知っているし、Y先輩がS先輩の前でいつもよりさらに可愛くなるのも知っています。
なんかもう、本当はS先輩がY先輩を好きなのも心の中では気づいていた気がします。
もう、情けないと思うけどその日はめっちゃ泣きました、やばいぐらい泣きました。失恋ってこんななんだなって。
もし中学の頃に告白してたら
もしあの運動会の日に告白してたら
後悔はすごくしました。でももう遅い。
たぶん一晩中泣いた気がします。男泣きは情けなすぎますが笑
その分、すっきりしました。なんだか清々しい気分になりました。
そして次の日、僕は部活帰りにY先輩を呼んで
「先輩ごめんなさい、好きです。ずっと、中学から好きです。先輩がいたからこの高校にも受かりました。大好きです。」と告白しました。
中1からだから3年分ぐらいの告白でした。
先輩は笑って「なんで謝るの?ありがとう、、、
でもごめんなさい、好きな人がいます。」と言いました。
知ってます、と心の中で思ったけど言葉にはしませんでした。
そして、1年が経って、Y先輩が部活を引退して1週間ほど経った日、また僕はY先輩を部室に呼び出しました。部室には部員全員と、引退した先輩達、そしてS先輩がいました。
これが僕の考えた、水泳部全員が計画したサプライズです。(どうやら部員全員、2人が両想いなのは知っていたそうです笑)
半ば強引にでも、S先輩に想いを伝えてほしかったのです。
そしてY先輩が部室に来て、S先輩が告白しました。
悔しいけれど僕の告白より、何倍もかっこよかった気がします。
Y先輩もボロボロ泣いて何回もうなずいて、2人は付き合うことになりました。
そして、現在、僕は大学3年生になり、大学でも水泳を続けています。Y先輩は県外の大学で同じく水泳を続けているそうで、また会えることを楽しみにしています。そしてS先輩は自衛隊に、それぞれお互いの道を進んでいます。
もちろん、2人は遠距離恋愛継続中です。
この前S先輩にLINEでこれからのことどう考えてるんですか?と冗談交じりで聞くと
『今全然一緒にいれてないから言えるセリフじゃないけど、これからもずっと一緒にいたいし、Yしかいないと思うから、Yが大学卒業して、俺も落ち着いたら結婚してほしいって言おうと思ってる。』と言いました。
先輩、それ僕に言うんじゃなくて、Y先輩に言うことですよって笑
でも本当に自分のことのようにうれしかったです。
僕は今、ある女性とお付き合いしています。
その人は高校の時の同じ部活の同級生で、僕のY先輩への恋心も失恋も知っている人です。狭い世界だな、と思う方もいると思いますが、こんな過去がある僕でも、それでも僕が好きだと言ってくれて、僕も彼女がすごく愛しいです。
次に先輩たちに会えるのは結婚式かな?と思ったりします。
これが僕の高校時代の恋の話です。
誰がに聞いてほしくて投稿しました。
これからも2人の先輩が幸せであることを願っています。
公開日:2018.08.19
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