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もう20年くらい前だろうか。
私は罪人だった。長く続く便秘に苦しみ、ついには糞を出すこと以外に生きる目的を失ったのだ。
しかしある日、天から便意という蜘蛛の糸がこの罪人の前に垂れてきた。
大昔大腸菌一匹でも助けたのだろう。
私はその極細の糸に必死にしがみつき、登った。そして登った。そして登った。
そろそろ成層圏に達しようかという頃、ふと気になって下を見ると、雲を突き抜け糞が、地上から延々と糞が、連なっているのであった。
次の瞬間、糸は切れた。
公開日:2017.03.05
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