病棟と霊安室がある場所との間にある保育室で働いていた時の話

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photo by (c)Tomo.Yun

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私が以前、病院内の保育室で保育士として働いていた時の話です。

その保育室は危篤状態の方が入院している病棟と地下に霊安室がある場所との間にあります。その為、霊の通り道となっているのか不可解な出来事がよく起こっていました。

子供の手洗い場の蛇口からチョロチョロと勝手に水が流れ出したり、誰もいないのにインターホンが鳴ったり、突然メロディー絵本の音楽が流れたりすることがよくありました。
そんな不可解な出来事が起こった日かその翌日には、必ずといってもいいほど、どなたかがお亡くなりになり、病棟の前に亡くなった方を運搬する黒い寝台車が停まっているのです。

そんな中、私が一番怖かった出来事は、子供のオムツ替えを行っている時に起こりました。
突然後ろから子供ではない男の人の声が聞こえてきたのです。よく聞くと、

「うぅ~出してくれぇ~」

と苦しそうな声…。後ろを向いても誰もおらず、窓しかありません。怖くなり他の保育士にそのことを伝えると、違う部屋にいた保育士の1人も男の人の唸るような声が聞こえたとのことでした。

そして翌日…やっぱりです。病棟の前に黒い寝台車が停まっていました。

きっとあの声は、亡くなられた方の声だったのではないかと思います。とても苦しい思いをしていたのか、最後に病棟から出して欲しかったのかは定かではありませんが、あの言葉は男の人の最後の訴えだったのではないのかと私は思います。

今現在保育室は別な場所に移動をし、その保育室は廃墟となっています。廃墟となった暗い保育室…中には亡くなられた方の霊が今でもさ迷っているかもしれません。

公開日:2014.12.27

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