今から15年程前の、一人バイクにてアメリカを旅した思い出

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photo by T hino

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あの日、私は州境の寂れた町を訪れました。
町は閑散としていていかにも治安の悪そうな所で、少し不安になったのを思い出します。

貧乏旅行だったので、夜はバイクに積んだテントと寝袋を使い寒さを凌いでいた私だったのですが、その夜は普段以上に寒く雪が舞っていて次の日の心配をしながら眠れない夜を過ごしていました。

目を閉じていても眠れない寒さと格闘していた真夜中に、テントの外から突然「ガサガサッ」と音がして驚き飛び起きました。
それもそのはず、私は治安の悪そうなその町を不気味に思ったからか、その夜は町外れの人気のない森の中で眠っていたからです。

怖さと興味が交じり合った感覚を覚え、勇気を出して表に出てみると、そこには家を失った母と子の親子が立っていたのです。
話かけてみると、その親子は車の中で生活しているようで人のこない場所でテントを張っている私が気になったらしく、見に来たようでした。

金銭的な貧しさはあっても、心の豊かなその親子は日本人で、真夜中にテントで寝ている私に対して親切にしてくれました。
人には様々な理由と境遇がありますが、どんな状況でも笑顔でいられるその親子が輝いて見えたのです。

旅が自分探しだとしたら、私はその親子の強さを忘れることが出来ません。
日本に戻り日常生活を送る今も、笑顔を絶やさず暮らすことで実りある人生を送ることが出来ています。

公開日:2014.11.19

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